【和食】 世界遺産の登録理由の再認識と和食の魅力を考える

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2013年にユネスコ無形文化遺産
新たに追加登録された
「和食」=WASHOKU=日本人の伝統的な食文化

日本のものとしては
「能楽」や「歌舞伎」など
21種類が登録されていましたが(2016年時点)、
2013年に日本の食文化として
「和食」が加えられました。

【無形文化遺産とは】
2006年に発効された
ユネスコ無形文化遺産保護条約に基づき、
保護される伝統文化や風習などのことです。

和食の登録申請の際に
4つの推奨理由挙が挙げられました。
この理由について今一度考え、
和食の魅力について見ていきましょう。

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和食の食材と調理法

【多様で新鮮な食材を使い、持ち味を生かす

その土地土地の旬の食材の、
素材の味を最大限に引き出すように
調理する

それが伝統的な和食の基本です。

南北に細長い日本列島は、
海や山など自然の恵み豊かな
地形が特徴です。

そのためそれぞれの土地に四季折々、
野菜や魚など独自の食材があり、
海の幸、山の幸が
土地土地の料理に利用されてきました。

こうした、その土地ならではの
新鮮な食材を使うことが、
和食の概念です。

魚介類は、調理する際に刺身など
そのままいただくものはもちろん、
煮たり焼いたりする場合にも、
素材本来のおいしさを活かす
工夫がなされています。

その工夫のひとつが、
和食の基本ともいわれ出汁(だし)です。

昆布や鰹節(かつおぶし)、干椎茸(ほししたけ)
などからとった出汁には、
アミノ酸の一種である
グルタミン酸やイノシン酸といった

「うま味成分」が含まれていることは
日本では古くから知られていました。

このうま味成分との相乗効果で、
素材の味が引き立ち、
また薄味でもおいしく感じられるため、
一層の素材のおいしさが活かされます。

味付けには「醤油」「みそ」など、
伝統的な製法でつくられる調味料が使われることも
和食文化のポイントです。

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これらの調味料は
「発酵というプロセスを経ている」ため、
うま味成分が豊富に含まれます。

「醤油」「みそ」だけを見ても、
濃口醤油や薄口醤油白みそや赤みそなど、
地域ごとに異なる特徴を持つことが、
和食をより奥深いものにしています。

和食は栄養バランスで世界最高水準

【バランスがよく、健康的な食生活をつくる】

日本人の長生きの秘密ともいわれる和食は、
理想的な健康長寿食です。

昔ながらの日常的な和食の献立は、
「一汁三菜」と呼ばれ、
①ごはんに汁物
②メインのおかず一品
③副菜二品
を組み合わせるのが基本でした。

一汁三菜の献立は、
エネルギー源となる炭水化物や、
体をつくる源となるたんぱく質など、
必要な栄養素をバランスよくとることができます。

たんぱく源には肉よりも、
魚や大豆などの健康食材が多く使われるのも、
和食が長寿食といわれるゆえん。

魚は、血管の健康維持に役立つ
EPAやDHAを含むほか、
骨ごと食べれば力ルシウムをとることができます。

丈夫な骨をつくるのに欠かせないカルシウムは、
食生活が乱れると不足しがちになるため、
積極的に補いたい栄養素です。

また、豆腐や納豆などの大豆食品は
カロリー控えめなうえ、
女性に必要なイソフラボンが豊富です。

さらに大豆には
生活習慣病予防に役立つ
レシチンなどを含みます。

こうした栄養素に加え、
煮物やおひたし、和え物などの
副菜からは、色々な野菜がとれるのも
和食の魅力です。

野菜には、健康の基本をつくる
ビタミンやミネラルが含まれます。

また、煮物によく使われる
ゴボウなどの根菜類は、
食物繊維たっぷりで、
便秘予防やダイエットに役立ちます。

和食と年中行事との関わり

【和食は年中行事とかかわっていて、日本の食文化と風習と重なる】

お正月などの年中行事には、
伝統的な料理が欠かせません。

お正月の「おせち料理」
「お雑煮」「七草がゆ」
「鏡開き(かがみびらき)」などが
これにあたります。

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1980年代以降は各家庭で調理して
「おせち料理」の全ての品々を準備することは
ほとんどなくなっています。

それに代わって通信販売やスーパー、コンビニなどで
既製品の「おせち料理」として
日本人にまだまだ根付いている和食文化です。

ひな祭り、端午の節句など
季節や年中行事や地域ごとに密接に関わる
料理の数々が日本中に現存しています。

こうした行事で、
家族や地域の人たちと
食事の時間を共にすることで、
お互いの絆が深まります。

和食の季節感と美しさ

【自然のおいしさを表現する】

和食は
器や盛り付けにもこだわる食文化です。
見た目でも楽しめるのです。

和食では、
春には桜をモチーフにした器、
夏には涼しげなガラス器など、
季節にあった食器が使われます。

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盛り付けるときも、彩りに気を配り、
鮮やかな緑のきぬさやを散らしたり、
身には鮮やかな黄の菊の花を添えす。

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また秋には紅葉をお料理に添えたりと、
季節ごとの葉を
料理に添える表現かいしきといい
日本特有のものです。

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見た目の工夫は、
料理人の食べる人への
思いが込められています。

そうした心配りも、
次世代へ大切に伝えていきたい
和食文化の一面です。

まとめ

いかがでしたか?

和食が健康によく、
日本人の生活に根付いた、
美的センスの上に、
おいしさが成り立っていることが
わかっていただいたと思います。

戦後の復興以降和食にかわって、
欧米化している日本人の食事ではありますが、
今や世界的には和食の魅力が理解され、
広まっているのです。

無形文化遺産に登録にともなって、
和食の世界的な認知度はさらにすすんでいます。

私たち日本人にとっては誇らしいことです。

私たち日本人も、
もう一度和食の良い点を再認識して、
日々の食生活に和食を意識的に取り入れ、
心身の健康維持を図りましょう。