子供が健やかに成長していくためには、
規則正しい生活リズムの確立が大切です。
文部科学省は2006年(平成18年)から
「早寝早起き朝ごはん」をはじめとした
基本的な子供の生活習慣を推し進めるプロジェクトを
推進してきました。
では「早寝早起き朝ごはん」がなぜ大切かを解説していきます。
日本は遅寝の子供が多い
世界的に見て、日本の子供は遅く寝る傾向にあります。
2000年度(平成12年度)の調査では
午後10時以降に寝る幼児の割合が、
5歳では40%に達していました。
1980年度(昭和55年度)の調査では
10%でしたから、大人の生活スタイルの変化とともに、
急激に遅寝の子供が増えていったのです。
遅寝になれば、質の良い睡眠がとれず、
朝ごはんの欠食にもつながります。
このことが、子供の心身の発達に
好ましくない影響があることが
科学的に証明されています。
そうしたことを改善するために
文科省が2006年に「早寝早起き朝ごはん」を推奨する
プロジェクトを推し進めてきました。
協力する個人や団体により急速に運動が認知され、
2010年度(平成22年度)の調査では、
午後10時以降に寝る5歳児は25%に減るなど、
大幅な改善がみられました。
小学生の生活サイクルの時間割見本
子供の学習意欲、体力、気力が向上
なぜ「早寝早起き朝ごはん」が大切なのでしょうか。
それは学習意欲、体力、気力の向上につながることが
証明されているからです。
昔から「寝る子は育つ」といわれますが、
睡眠は身体が休むときに脳の活動をしっかり低下させることで、
心身を休養させているのです。
成長ホルモン(脳、骨、筋肉の成長を促す)は
眠ってすぐの深い睡眠時に特に多く分泌されます。
遅寝になれば、これらの物質の分泌に
悪影響を与えてしまいます。
質の良い睡眠をとるり、
翌朝は朝日を適度に浴びることが大切です。
脳内ホルモンであるセロトニンが分泌され、
気持ちが穏やかになります。
また、朝ごはんをよく噛んで食べることで、
脳が活性化し、栄養が補給されるため、
午前中からしっかり活動できる状態になります。
親は子供によく噛むことの理由も一緒に
教える必要があります。
遅寝は、寝不足でなかなか起きられず、
朝時間がなく、食欲もないために
朝ごはんを食べないで登校してしまいます。
その結果、エネルギーが足りずに
気分が落ち込みやすく、集中できずに
イライラしたりするなどの弊害が起きます。
意欲、集中力がわかないため、
授業も“うわのそら”となり、
忘れ物も多くなります。
【遅寝で朝ごはんの欠食がちな子供の傾向】
- 気分が落ち込みやすい
- イライラする
- 意欲が湧かない
- 疲れやすい
- 集中力、記憶力が低下
- 注意散漫
- うっかりミスが増える
また、脳には寝ている間に
必要な情報を記憶として
定着させる機能があるので、
睡眠が十分でないと、
成績も悪くなります。
睡眠と成績はつながっている のです。
今の人たちはライフスタイルが多様ですが、
多様とは大人のライフスタイルのことであり、
子供のライフスタイルはどこの家庭でも、
いつの時代でも同じでなくてはなりません。
誰でも小学校、中学校に登校し、
この時期は、
心身の成長に大きな影響を及ぼします。
子供を自分起床できるようにし、
規則正しい生活習慣を身に付けるために、
次のようなことを心掛けていきましょう。
【親が心掛ける子供の規則正しい生活】
- 夕食の時間をあまりずらさない
- テレビやゲームは寝る1時間前にはやめる
- 大人のテレビ番組をだらだら一緒に見させない
- 子供への小言は20時までにしておく
- 寝る前30分は部屋を少し暗くする
- 明日休みでもいつもより2時間以上遅く寝ない
朝、機嫌のいい子は、1日中、機嫌がいいものです。
友達との遊びにも勉強にも意欲的になります。
「朝、機嫌のいい子を育てる」をモットーに
家庭で取り組みましょう。
誰かに起こされるのではなく、
起きるべき時間に自分で目を覚まして布団から出る
「自律起床」ができる環境にすることも親の務めです。
親から何回も「起きなさい!」と言われて
しぶしぶ起きるよりも、
自分で目を覚ました方が、
機嫌がよくなるからです。
適正な睡眠時間は、
遺伝的要素もあって人それぞれ違います。
子供の状況をよく見ながら、
適正な睡眠時間を探り、
自律起床ができるように、
家庭全体で子供が早く寝る状況をつくることが大切なのです。
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