人はどのような料理を
「美味しそう、美味しい」
と感じるのでしょうか。
味覚はもちろんですが、
その大半は視覚の情報(見た目)が占めるともいわれます。
試しに、夕食時に数十秒、
部屋の電気を消して薄暗い中で食べてみてください。
とても味気なく、楽しさのない気分になると思います。
料理は、「盛り付け」次第で
いつもの料理も、ワンランク上の料理に変身します。
和食であっても、洋食であってもどんな料理でも、
おいしく見える盛り付けのポイントについて説明します。
目 次
こんもり中央に山高に、立体的に盛り付ける
テーブルに並べた料理が、
すべて平らに盛り付けられていたとしたら、
華やかさに欠け、つまらないものです。
煮物やサラダなど、可能なものは、
こんもりとできるだけ皿の中央に山高に盛り付けることが、
料理をおいしく見せるポイントです。
とんかつやハンバーグ、刺身など、料理そのもので
高さが出しにくいものについては、
付け合わせの野菜や他の食材で
立体感を出すように工夫しましょう。
「5色」の彩を意識する
テーブルに並んだ料理に
「赤、黄、緑、白、黒」の
5色が入っていれば、
「彩(いろどり)と栄養」両方のいずれのバランスも
取れるといわれています。
【具体例】
赤→卜マトやニンジン、赤パプリカなど
黄→カボチャやコーンなど
緑→葉物野菜やピーマンなど
白→大根や乳製品
黒→ゴマや海藻など
があげられます。
足りない場合は、
生野菜や漬物、トッピングなどで
色を足しましょう。
また、皿に描かれた色彩を利用することも
テクニックの一つです。
皿の外側3~4割は余白として料理を置かない
きれいな盛り付けには、
余白は必要不可欠です。
「食器の3~4割は余白」と覚えておきましょう。
食器からあふれんばかりに盛ると、
ボリュームがあるように見えて、
また粗雑な料理に見えてしまいます。
逆に余白があり過ぎても、
さみしく物足りない料理に見えます。
野菜の付け合わせやソースなどで余白を埋める工夫も大切です。
また、汁物もおわんの7分目までを目安に入れるようにしましょう。
なみなみ汁を入れると、
不思議とありがたみや感動が薄れるものです。
仕上げに一手間かけて完成
最後の仕上げが重要です。
レストランなどプロの料理人がする一手間の技ですが、
心得を習得すればだれでもできる一手間です。
高さ、彩を丁寧に確認した上で、
余白に垂れた皿を汚している汁などは
拭き取るようにしましょう。
煮汁やソース、ドレッシングなどは最後に掛けることで、
料理全体につやが出て一層おいしそうに仕上がります。
料理に合わせたトッピングを加えることもお勧めです。
パセリ・青じそ・白髪ネギ・ミョウガ・ゆずの皮などを刻んでのせたり、
ゴマやブラックペッパー、糸唐辛子などを加えたりするだけで、
手の込んだ料理に見えるものです。
【盛り付けに便利な食器の一例】
トング……サラダやパスタをはじめ、持ちにくいものが簡単に取れて便利です。
真っ白な皿……和食・洋食・中華など、どのような料理にも違和感なく使えて便利です。
【盛り付け具体例】
ワンプレート
1人分のライスやパン、メインディッシュ、副菜をワンプレート(一枚の平らな大皿)に盛っておしゃれにおいしそうに盛り付ける方法。
①大きめの皿の一角にサラダを山高に盛り、
ミニトマトや赤パプリカなどで彩りを加えます。
②左手前にご飯やパンを置きます。
③右手前にメインディッシュ(ハンパークや唐揚げなど)を置きます。
④メインディッシュのさらに手前に・、
フライトポテトやボイルした野菜などを添えます。
⑤最後にドレッシングやソースが広がらないよう、
スプーンでそっと掛けてできあがりです。
パスタ
上は良い例、下は悪い例
①麺をトングで取ります。
皿の余白を十分に空けて、
皿の中央に回しながら置きます。
1人分を2~3回に分けて
山高に積んでいくかんじです。
②麺の端がピンピンと見えないようにすることで、
きれいな盛り付けになります。
箸で麺の端を隠します。
③麺の上にスパゲティの具をのせて、ソースを掛けます。
④パセリや粉チーズなどトッピングを振りかけて完成です。
まとめ
いかがでしたか?
料理の盛り付け方の基本を簡単に説明しました。
この基本を理解していれば、
どんな料理でも、 どんな食べ物でも
皿に盛りつけるときに使えるコツです。
普段の食事には
あまり気を遣わなくてもいいのかもしれませんが、
人を招いての食事会、パーティーなど
特別な食事での料理の盛り付けには
欠かすことのできない基本中の基本となるコツです。
このコツを知っていれば、
料理がワンランク上の料理になってしまう不思議を
覚えておいてください。
ちなみに、お皿でもお料理の味は変わります。
不思議ですが本当です。
試しに、使い捨ての紙皿やプラスチック皿と
ちょっといい、素敵な陶器のお皿で
比較して食べてみてください。
お皿選びもお料理の大切な一部です。
広告