ちょっと高級なレストランで出てくる、
取っ手のついた銀色に輝く、
なんか魔法のランプみたいなおもしろい形、
何となく昭和レトロを感じさせる
カレーのルーが入った食器の名前を
グレイビーボート(gravy boat)
といいます。
グレイビーボート→楽天ストレート検索
グレイビーソース
(調理された肉から出る肉汁でくられる濃厚なソース)
を入れるための器としてイギリスで生まれ、
その形状が船(boat=ボート)に似ていることから、
このように名づけられました。
日本ではソースポットとも呼ばれていますが、
この言葉をそのまま英訳すると
「ソースをつくるための鍋」という意味になるので、
英語圏では通じない和製英語です。
このグレイビーボートは、
日本では「カレーのルー」か「ハヤシのソース」
を入れるための器として知られています。
日本人は、
なんか魔法のランプみたいな感じだし、
もともとはインド発祥の器と考えている人が
ほとんどだと思います。
しかし、実はインドとは何の関係もない、
西洋料理用の一食器にすぎなかったのです。
「グレイビーボートにカレーのルー」は日本独自のもの
カレー自体は、もともとはインドの食べ物ですが、
現在の日本のカレーは、
日本独自に進化発展した国民食です。
また、グレイビーボートにカレーのルーを入れる食べ方は、
日本独自のものです。
カレーとグレイビーボートは日本での
インドとイギリスの食文化の融合だったのです。
100年以上前に、日本で「カレーのルー入れ」に
使ってみたところ、
上品で素敵だったことから日本国内で広まっていきました。
カレーのルーをすくうスプーンのような小さなおたまの名前は
ソースレードルといいます。

あなたは、最初からルーが
ご飯にかかった状態で出てくるカレーと、
グレイビーボートにルーを入れて、
少しずつご飯にかけて食べるカレーと
どちらが好きですか。
いちいちルーをかけるのは
まどろっこしい感じもしますが、
高級感が出ます。
しかし家庭で
グレイビーボートを使っている人は
あまりいないのではないでしょうか。
お店の高級な感じのカレーに
グレイビーボートはよく合います。
グレイビーボートのカレーの食べ方
取ってと注ぎ口がありますが、
最初に全部ご飯にかけるのではありません。
少しずつソースレードルでルーをすくって
ご飯にかけ食べます。
最後の残りを注ぎ口からソースレードルでかき出すのが
正式な食べ方だそうです。
以上が「カレーのルーを入れるあの器」は
グレイビーボートという名前というお話でした。