職場のパワハラ(パワーハラスメント)とは、
地位や人間関係などで、
自身の優位性を背景におこなわれる
“大人のいじめ”のことです。
厚生労働省は2017年5月、
職場でのパワハラ防止のため、
パワハラ行為を法律で禁止することなどを視野に入れた
検討にはいり、2017年度中に報告書をまとめます。
厚生労働省の今までの対策は、
“防止の呼びかけ”や“啓発”にとどまり、
事実上パワハラをする嫌な奴は野放しの状態でした。
今後、厚生労働省の有識者検討会で議論が進められます。
しかし、「上司の指導」とパワハラの線引きの判定の基準を、
本当に明確にできるのか疑問視されています。
なぜなら、パワハラをおこなっている奴は、
「上司としての指導だ」
と言い張り続けていじめをしているからです。
『パワーハラスメント対策導入マニュアル』(厚生労働省制作)では不十分!
2017年3月につくった「働き方改革実行計画」に、
パワハラ対策を強化するための検討の場の設置が決まっています。
そのため、厚生労働省は労使関係者などによる
検討会で議論が始まりました。
厚生労働省は今までは、
上司などからいじめを受けた被害者から
相談があった場合の対応などを説明した、
『パワーハラスメント対策導入マニュアル』を作成しました。
このマニュアルにもとづいて
企業に対策をとるように指導してきました。
しかし、2016年現在、相談窓口を設けるなどの
パワハラ対策を実施している企業は半分程度にとどまっています。
中小零細企業ではほぼ対策は皆無なのが現状です。
パワハラの定義とは何か?
パワハラについて、厚生労働省は
「職場内での優位性を背景に
業務の適正な範囲を超えて、
精神的・肉体的苦痛を与えたり
職場環境を故意に悪化させたりする行為」
と定義しています。
そしてさらに、
“パワハラに当たる可能性がある行為”の
次の【6つの類型】を発表しています。
●執拗に叱るなど精神的な攻撃
●1人だけ別室で仕事をさせるなど人間関係からの切り離し
●無理な業務の押しつけなど過大な要求
●事務職なのに倉庫業務だけさせるなどの過小な要求
●妻の悪口を言われるなど「個の侵害」
しかし、
「精神的な攻撃」
「過大な要求」
「人間関係からの切り離し」
「無理な業務」
「個の侵害」などは、
どの程度からパワハラになるのか
明確にできないことがほとんどです。
通常の仕事の中での上司としての指導や教育、注意と
パワハラとの線引きは非常に困難です。
厚生労働省の有識者検討会では
パワハラの定義も含め、
パワハラに該当するか否かの判断基準を
より明確にすることが可能なのか議論していきます。
法律に基づく規制が難しければ、
法的拘束力は持たない
ガイドラインとして示すことなども検討されます。
パワハラの事例はここ10年で急増
職場でのパワハラに当たるいじめや嫌がらせは
年々増え続けています。
厚生労働省は2015年度中に
都道府県労働局や各地の労働基準監督署などに
約67000件の相談がありました。
(5年前の2010年度と比べると7割近く増加)
さらに、厚生労働省が会社員1万人に対して行った調査では、
過去3年間におよそ3人に1人に当たる32.5%が
パワハラの被害を受けたという認識をもっていました。
この割合は前回2012年の調査と比べ7.2%上昇しています。
大人のいじめ=パワハラ
小学生、中学生のいじめが社会問題になって、
数十年が経過していますが、
今や会社員も弱い者いじめをする風潮が
ここ10年で急増しました。
日本では、“パワハラ”と“ブラック企業”のワードは
同時期に使われ始めました。
1991年のバブル景気崩壊後、失われた20年の始まり以降、
一般的な会社の経営概念が
「可能な限り無駄を省く」「コスト削減」に
傾倒してきました。
これらは利益追求の観点からは、
理にかなっています。
がじかし、度が過ぎると職場の空気は
ギスギスしたものになります。
また、社内いじめ、パワハラの温床になっています。
末端の従業員に
過度な心身の負担や
異常な長時間労働など
劣悪、非情な労働環境での勤務を強いています。
会社の利益がだけが唯一の目的となり、
労働環境の改善を
絶対にしない会社がほとんどです。
こうした社会から、パワハラという“社内いじめ”が
密かに急速に広がっています。
会社員=大人の心の闇を
国は早急に解決しなくては
国民の幸せはもはや
ありえません。
パワハラは明らかな人権侵害です。
パワハラをやり続ける奴を絶対に許さない
社会風土の定着を国(厚生労働省)の音頭で
早急に実現することを強く求めます。