高齢化社会となった現在、
高齢者トライバーが非常に増えました。
それにともない、
アクセルとブレーキの踏み間違いや逆走など、
今まで考えられなかったような事故が多発しています。
これらの事故の報道をみた高齢の方やその家族には、
免許証の返納を検討している人も急増しています。
そこで、今回は長年無事故を続けて、
「割引率がアップした自動車保険」は「解約」しないで、
免許証返納の際は、「中断」することをおすすめします。
目 次
自動車保険の「中断」、え!知らなかった、その後、家族に譲渡できる
いよいよ免許を警察に返納するとなると、
自動車保険の解約も1日でも早くと思いがちです。
しかし、ここで早まってはいけません。
自動車保険は解約ではなく、
とりあえず中断しておきましょう。
その理由は、この先10年間は同居の家族が
その保険を引き継ぐことができるからです。
多くの人は長年無事故を続けてきた
ドライバーだと思います。
自動車保険の無事故割引は大きな財産なのです。
廃車、譲渡、車検切れ、リース業者への返還、
海外渡航などさまざまな場合も同様です。
自動車保険が不要になる期間があります。
その場合は保険の解約ではなく、
契約を中断するのです。
中断することを保険会社に連絡して
「中断証明書」を発行してもらえます。
この手続きさえしておけば、
契約者と同居する親族が新たに車を入手した際、
10年以内なら、その親族が「中断」時の割引等級を引き継ぎ、
契約を再開することができるのです。
今年80歳になるのを機に、
運転をやめる決断をした、
「おじいちゃん」がいたとします。
一緒に住んでいる中学1年生(12歳)の孫が6年後には
運転免許を持つことができる年齢になります。
この「おじいちゃん」は無事故で何十年も、
払い続けていた20等級の自動車保険を
「解約ではなく、中断」で
この孫に20等級のまま譲ることができるのです。
10代、20代の若者の保険料は高額
18歳のドライバーの
一般的な自動車保険料は
1年間に約35万円です。
10代、20代の若者の等級は大変高額です。
しかし、この18歳のドライバーが
上記の例のような中断していた
「おじいちゃん」の20等級の保険を
引き継いだとします。
そうすると、1年間の保険料は、
なんと半額以下の約16万円ですみます。
もしも、この「おじいちゃん」が、
孫が運転免許を取る前に他界しても、
中断から10年以内であれば、
その等級を受け継ぐことができます。
孫にとってはとてもありがたい遺産になるのです。
このように、
「無事故割引が大きくなった保険」は、
絶対に「解約」してはいけません。
「中断」手続きを取ることによって、
10年間ならば、家族や孫へ割引の利いた自動車保険を
譲ることができるのです。
保険会社も、
自動車保険の中断制度の説明を記載したり、
ネットなどでは確認メッセージを表示させたりすることで、
漏れのない案内ができるような態勢が取られています。
ネット契約の場合も、解約を申し出ると、
最終的にはスタッフが対応するため、
安易に解約手続きがすすまないようになっています。
あなたの「おじいちゃんやおばあちゃん」が
解約を考えているのでしたら、
必ず「中断制度」の存在を説明してください。
もしも、ここまで読んで「しまった!」と思った人は、
すぐに契約していた保険会社に連絡してください。
旧契約の保険期間の末日から
5年以内に申し出た場合、
さかのぼって「中断証明書」を発行できます。
この期間は各社でかなり違い、
損保ジャパン、三井住友海上は13ヵ月以内です。
長年積み上げた自動車保険の割引を、
みすみす捨ててしまわないようにあなた自身はもちろん、
家族の自動車保険についても十分注意していてください。
免許証の返納は有効期限内におこなう
2017年3月から『改正道路交通法』が施行され、
免許更新時に認知症が疑われる場合は、
医師の診断を義務付けることになりました。
こうなると、多くの人が運転への不安と恐怖を覚え、
「事故を起こす前に運転をやめよう」と決心します。
高齢者や、それを促す家族が急増しています。
しかし、思い切って決断しても、
運転免許証を捨てたり、
引き出しにしまいこんで失効させたりしては
とてももったいないことです。
車の運転をやめた場合は、
運転免許証は有効期限内に警察署へ返納すれば、
千円の手数料を払うだけで「運転経歴証明書」がもらえます。
すでに返納した人でも、5年以内ならば、
さかのぼって申請することができます。
この「運転経歴証明書」は有効期限がなく、
一度もらっておけば更新手続きの必要もありません。
「運転経歴証明書」は高齢者に限ったものではなく、
病気やケガでもう運転が不可能になった方でも同様です。
免許証返納をすると、各県で特典プレゼントがもらえます。
「免許証返納 特典 ●●県」と検索すれば、
各県の特典一覧を閲覧できます。
高齢者などの免許証返納に「ちょっと待った!」
しかし、高齢や病気、ケガなどで
もう自動車の運転は不可能な人でも、
免許証返納はできたらしない方がいいと思います。
もちろん、運転はやめたのですから
絶対に運転しないことが前提ですが
免許証の更新だけはしておくべきです。
わざわざ返納することもないし、
失効もさせてもいけません。
その理由は、2017年6月8日のニュースで
人が運転に携わらなくてもいい
「完全自動運転」の技術の確立を
ホンダが2025年をめどに
目指すと発表しました。
すでに、他の各社も一部に自動運転機能を使った車を
相次いで売り出している状況です。
そうなると、今までの自分の運転の
不安や恐怖がなくなります。
完全自動運転の時代がもうそこまできています。
運転免許は近未来のために保持し続けて、
自動車保険だけを、中断手続きしておくのも
ひとつの考え方だと私は思います。