【引きこもり・ニート】脱出に向け厚生労働省が支援

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1990年代から、
10代・20代の若者の
「引きこもり」
が社会問題視され始めました。

本来「引きこもり」とは
若者の問題である
と考えられていました。

当時、不登校問題と同一視され、
延長上とされてきた経緯から、

支援対象者は10代~20代の
若者を想定されていました

その人たちも今や
40代前半の年齢になっています。

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長い年月「引きこもり」から
脱出できずに(=就職できずに)
あえいでいる人たちが、
表に出てこないだけで
社会にはたくさんの人数がいます。

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「引きこもり」とは、「ニート」との違いは

「引きこもり」の定義
時代とともに変化してきましたが、
現在の定義を
厚生労働省が次のように定めています。

仕事や学校に行かず、
かつ家族以外の人との交流を
ほとんどせずに、
その状態が6ヶ月以上続いている。
この間、買い物などで
時々は外出しているとしても
「引きこもり」状態といえる。
【厚生労働省】

大辞泉では

「長期間にわたり
自宅や自室にこもり、
社会的な活動に
参加しない状態が続くこと」
また、
「人間関係による
ストレスや精神疾患が
原因で引きこもる場合、
原因を特定できないまま
引きこもる場合などがある」

としている。

その精神疾患とはほとんどの場合
不安障害適応障害です。

しかし2000年以降、
引きこもりの長期化や、
いったんは就職、
もしくは進学したものの、
途中で挫折し、
以降親の家に「引きこもり」になってしまう
ケースが爆発的に増えています。

ニートの定義

15〜34歳までの
身体的には健常者で、
学校に行かず、
定職に就かず、
親の家に住みつき、
家事のほぼすべてを母親にやらせ、
一日のほとんどを自室で過ごし、
親から食べ物をもらっている者。

とされています。

また、ニートは
精神疾患がない場合が多く、
社会的ニアンスとして、
「引きこもり」とは違い
「甘え、ぐうたら、怠惰」の要素が
強く加わっているといわれます。

ニートという言葉は2004年以降、
多用されるようになりました。

「引きこもり」「ニート」の共通点は、
ほとんどの場合、
自室と食べ物を親から与えられており、
ほぼ100%PC、スマホをもち、
ほぼ100%ゲームをするか、

あるいはテレビを見て
日々を過ごしています。

PC、スマホ、ゲーム、テレビ無しで
「引きこもり」「ニート」は不可能
といわれています。

確かに、昭和時代には
「引きこもり」「ニート」
社会的認知はありませんでした。

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すでに若者ではない域に達した「引きこもり」をどうするか

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現在は「引きこもり」の平均年齢は
30歳を越え、
40代前半も2割近い
という調査結果
もあります。

支援団体でも支援対象者に
年齢制限をもうけている場合が多くあります。

30代~40代の「引きこもり」
支援からあぶれるてしまっている
現状です。

親も老年期に入っているなどの理由から、
30代~40代の本人、親ともに
家庭的に行き詰まってしまっているケースが
多発しています。

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また、多くの支援団体では
支援内容が10代と20代を
想定したものとなっています。

そのため老年期に入った親が
相談に訪れても
子供の年齢を理由に
支援を拒否されることが
少なくありません。

確かに、今まで厚生労働省も
「引きこもり」の支援を
10代~20代を想定していました。

そのため、条例等の名称に
「若者、青少年」
頭に付くことが多いのが現状です。

若者よりも、30代、40代の「引きこもり」が多いことが判明

山形県が2013年に
「引きこもり」の実態を調査したところ、
15歳以上の「引きこもり」は1607人、
そのうち40代以上が717人という
調査結果が存在します。

さらに、茨城県庁が2016年度に行った
「引きこもり実態調査」結果が
下の表です。

なんと、大半が30代以上だったという
衝撃の結果でした。

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これは非常に興味深い、
注目に値するサンプル調査結果です。

なお、この場合の
「引きこもり」「ニート」とは、
精神疾患は別にして、
身体的には健常者であることが前提
となります。
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「引きこもり」の脱失の手助け、就労支援を40~44歳まで拡充

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「引きこもり」
の国の就労支援拠点として
「地域若者サポートステーション」
(サポステ)

2006年度に設置が始まりました。

現在は全都道府県に約170ヵ所あり、
NPO法人などに厚生労働省から
運営を委託されています。

履歴書の書き方やビジネスマナーといった
初歩的なものから、
対人関係に慣れるための共同生活や、
企業と連携した就業体験まで、
多様なプログラムが用意されています。

ただ若者の自立支援が目的のため、
利用者は39歳までに限られ、
40歳以上の「引きこもり」の支援は
対象外となっています。

そのため、厚生労働省は今後、
44歳までの「引きこもり」「ニート」
就職を後押をします。

39歳までを対象としている現在の支援制度を
平成30年度から40~44歳も含めることを
平成29年11月18日までに決定しました。

NPO法人などが運営する全国の
「地域若者サポートステーション」のうち、
10力所程度をモデル地域に選定します。

1986(昭和61)年12月~
1991( 平成3)年2月までの

バブル景気とその後のバブル崩壊
のあおりをくい、

就職氷河期に頓挫したまま、
ずるずると歳月だけ経過した人が
社会に多く存在し、
その人たちも今や
40代になります。

この40代の人たちも今後
「地域若者サポートステーション」
利用できるようになります。

40代以上は
仕事をしていない期間が長期化したりして
就労がより困難なケースが考えられます。

そのため、それ専任のスタッフも配置され、
個々の事情に応じて、
既存のプログラムをアレンジするなどの
工夫がされます。

厚生労働省は
モデル事業を通じて
効果的な手法や課題を探り、
氷河期世代の
職業的自立につなげる構想
です。

まとめ

「地域若者サポートステーション」
①「就職活動を始めるまでに6ヵ月」
②「実際に就職するまでに6ヵ月」

計1年間を目安にプログラムが組まれることが普通です。

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総務省の労働力調査によると、
15~44歳の無業者
(仕事をせず、家事や通学もしていない人)は

2016年時点で約100万人いると
推定されています。

5歳ごとの内訳では
40~44歳が約23万人で
最も多かったのです。

この数字は
労働力資源の国家的な損失となるため、
厚生労働省は「引きこもり」「ニート」
支援拡充を行うのです。

44歳までの「引きこもり」「ニート」
困っている親は今後、
「地域若者サポートステーション」
活用することを強くおすすめします。

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