エンゼルパイはなぜ売ってないのか?その理由を探る[森永製菓]

おそらくあなたは『森永のエンゼルパイ』
知っていると思います。

さらに『ロッテのチョコパイ』
知っていると思います。

しかし、あなたがいつも行くスーパーで
エンゼルパイを見かけますか?

おそらく、多くの人がエンゼルパイ
なぜかあまり見かけないと思います。

見たとしても
ミニエンゼルパイではないでしょうか。

大袋のエンゼルパイ
ほとんど見かけません。

それに対して、
チョコパイはホントよく見ると思います。

今回はなぜエンゼルパイ
めったに売っていないのかの
理由を考えてみました。

広告
336 ×280

森永のエンゼルパイ

『森永のエンゼルパイ』は現在、
ミニとレギュラー2種類があります。

直径が約3.5㎝のミニエンゼルパイと、
直径約6.5㎝のレギュラーサイズ
があります。


ミニサイズ

レギュラーサイズ(大袋)


レギュラーサイズもミニサイズも
8個入りです。

エンゼルパイとチョコパイ、どっちが好き?

世の中には、
エンゼルパイが好き(エンゼルパイ派)
チョコパイが好き(チョコパイ派)
大きく分かれているそうです。

見た目はどちらもチョコレートに包まれた
円盤型のお菓子です。

しかし、エンゼルパイ
ビスケットで中身はマシュマロ。

チョコパイはソフトケーキで
中身はバニラクリームと別物です。

それぞれの
ヒントにしたアメリカのお菓子も別物です。

おもしろいアンケート結果があります。

Jタウン研究所が約1か月にわたって、
「エンゼルパイとチョコパイ、
どっちが好き?」

都道府県別にアンケート調査した結果が
次の通りです。

総投票数1702票・2016年3月17日~16年4月25日

東京、大阪の大都市圏では
「エンゼルパイ派」が多かったが、
北海道から九州、沖縄まで
特段の地域差がある感じではしません。

それよりも、「エンゼルパイ派」
「チョコパイ派」に10%勝っています。

あんまり売っていないエンゼルパイ
よく勝ったなという感じです。

これは次の項目でお話ししますが、
エンゼルパイが昭和レトロ
超ロングセラー商品で
人々が当たり前に知っている
お菓子だからだと思います。

広告

「エンゼルパイ」と「チョコパイ」の歴史

エンゼルパイは1961年から全国発売
されている、
昭和レトロ超ロングセラー菓子です。


●1977年発売に初の2個入りの箱タイプにリニューアル100円
●これは、当時のパッケージのため森永製菓のマークが旧型

下の動画は1984年「2個入りの箱」のCMです

1983年発売のロッテのチョコパイ
家族みんなで食べてもらうことを想定して、
6個入りの箱タイプで発売開始しました。

80年代を代表するお菓子の一つです。

翌年の1984年、森永製菓も対抗商品、
6枚入り「エンゼルパイ」を発売しています。

ョコパイと似せて生地はソフトタイプです。
(しかしこのソフトタイプは後に消滅しています)

下のCMのラストシーン

ロッテのチョコパイは売り上げは好調で、
1987年、バブル経済期には
10個入の大袋タイプを
“パーティーパック”と銘打って発売しました。
(2006年ごろには9個に減量)

この年1987年、森永製菓は対抗商品、
10枚入り「エンゼルパイ」
(現在は8枚入り)を発売しています。

ロッテのチョコパイはパーティーパックで
一気に売り上げを伸ばしましたが、
1993年がピークだったそうです。

エンゼルパイチョコパイ
見た目がとても似ているため、
ライバル視されるチョコ菓子です。

しかし、歴史的には森永のエンゼルパイは、
ロッテがチョコパイ発売した20年前には
すでに発売していました。

(ロッテのチョコパイも1983年発売
ですから超ロングセラー商品ですが…)

森永のエンゼルパイ
ビスケットでマシュマロをサンドして
チョコレートでコーティング
●製造販売 森永製菓㈱
●アメリカのスクーターパイをヒントに
製品化
●販売開始1958年

ロッテのチョコパイ
ソフトケーキでバニラクリームを
サンドして、チョコレートで
コーティング
●製造販売 ㈱ロッテ
●アメリカのムーンパイをヒントに製品化
●販売開始1983年

エンゼルパイはなぜ売ってないのか?その理由とは

冒頭で記した通り、
あまりエンゼルパイは売っていません。

地域によっては
「どこの店にも売っていない」
ということもあるかもしれません。

あなたの近所のスーパーはどうですか?

もう製造終了したのではないかと
思ってしまう人もいるかもしれません。

しかし森永製菓の公式サイトへいってみると、
商品情報のエンゼルパイのページがあり、
今でも製造販売されていることが
確認できます。

エンゼルパイの歴史をビジュアルで、
昭和レトロ超ロングセラー商品であることを
説明しています。

ではなぜ、ロッテチョコパイばかり
スーパーで見かけるのでしょうか?

理由は価格です。

広告


「エンゼルパイ」と「チョコパイ」の値段、価格

「森永エンゼルパイ」
(レギュラーサイズ)8個入り
360円(税込)くらい
「ロッテチョコパイ」
(パーティーパック)9個入り
300円(税込)くらい

このように森永エンゼルパイ
1個少ないのに
60円ほど高いのです。

これでは店側も限りある店舗スペースに、
どちらかといえば
ロッテチョコパイ
陳列したがるはずです。

しかも、ロッテは「広告の品」協賛品として、
ロッテチョコパイをそうとう安く
大量に出荷するときがあります。

ロッテチョコパイの値段が
安くできる仕組みの一例は
コチラの記事で触れています。

なお、ロッテはチョコパイ激安出荷
夏にはやりません。

板チョコでお、アーモンドチョコでも、
ロッテは必ずといっていいほど、
森永製菓、明治に価格面で勝ちます。

森永製菓、明治に比べると
やはり新興企業であるロッテらしい
感じがします。

森永エンゼルパイ
とてもおいしいのに残念です。

歴史もあり、日本人にはなじみです。

ロッテチョコパイ
もちろんとてもおいしいですが)

ロッテは森永に対してこんなことも?

ところが、先日
ディスカウントストアにいったら、
いつもはあるはずの「ロッテチョコパイ」
パーティーパックがなくて、
「森永エンゼルパイ」大袋が売っていました。

しかも、前述の値段よりも
かなり安く売っていました。

これはどういうことなのか?

「ロッテチョコパイ」パーティーパックは夏は売っていない?

ロッテチョコパイは夏の時期
7月~9月の3ヶ月間、
パーティーパック(9個入り)が
多くのスーパーから姿を消します。

ロッテチョコパイはソフトケーキで
バニラクリームをサンドして、
チョコレートでコーティングの
ふわふわ菓子です。

しかしパーティーパックは袋梱包で、
ガードはペラペラの
プラスチックトレイだけです。

流通上、真夏の高温のトラック荷台や
店舗倉庫内で溶けて、
その状態で店頭に置かれると、
お客さんが手に取っただけで
内容破損する可能性があります。

店員の取り扱いも神経を使ってしまうほど
溶けている状態です。

6個入り箱チョコパイならば
溶けていても箱のため、
持っても本体に影響はありません。

そのため、6個入り箱チョコパイ
どこのスーパーでも一年中売っています。

しかし、販売店サイドの判断により
取り扱わないのが
一般的になっていると考えられます。

そのため、真夏は
ロッテチョコパイ
パーティーパックは
製造を休止しています。

ロッテチョコパイよりも、
かたい森永エンゼルパイ大袋が
それに代わって店頭にあらわれます。

夏の間は森永製菓㈱
森永エンゼルパイ安く卸している
と思われます。

店頭では普段ほとんど見かけない
森永エンゼルパイ大袋入りがおかれ、
しかもロッテチョコパイのように
安くなっています。

森永エンゼルパイ
夏以外はこんなに安くなることは
ありません。

秋になってロッテチョコパイ
パーティーパックが戻ってきたら
森永エンゼルパイ
大袋入り
姿を消します。

そして、どこかで売っている
森永エンゼルパイ大袋入りは夏とは違って、
価格はもとのお高めに戻っているのです。

これが森永エンゼルパイ大袋入り
夏によく見かけて、
冬に見ない理由なのです。


広告


まとめ

この記事題名
『エンゼルパイはなぜ売ってないのか?
その理由を探る』の結論は、
おいしいしくて、人気もある
超ロングセラー昭和レトロ商品、
あの有名な森永エンゼルパイですが、
激安で攻勢をかけるロッテチョコパイには
勝てない
ということです。

「値引き競争で、お店に置いてもらえない」のが
最大の理由です。

小売店は、エンゼルパイかチョコパイか、
どちらかは必ず置かなければなりません。

しかし、店頭スペーズ上、
両方置くわけにはいかない場合は、
安く仕入れられるロッテチョコパイ
必ず選択するはずです。

しかし、真夏だけは
森永エンゼルパイの天下です。

なぜならば、ロッテチョコパイ
溶けてしまう品質上、
真夏には製造販売、流通が
できないからです。

前出の通り、アンケートができるくらい
有名なエンゼルパイであり、
根強いファンがいることがわかります。

しかしあの明治のカールが
東日本で販売終了してしまったように、
いかに有名なお菓子でも
一抹の不安を感じます。

森永製菓も
昭和レトロ超ロングセラー商品
よもや生産終了にすることはないとは
思いますが、
ロッテは森永製菓、明治に
価格競争では絶対に負けない強さがあります。

今後、森永エンゼルパイ
ロッテチョコパイ
価格競争では勝つことはありません。

ロッテチョコパイ1980年代の
日本中が高揚したバブル経済期を懐古する
代表的なお菓子として
今後も日本中で親しまれていくでしょう。

森永製菓にはエンゼルパイレギュラーサイズ
全国販売を維持していってほしいです。

森永チョコフレークは生産終了


左が森永製菓、右が日清シスコのチョコフレーク

2018年9月末に森永製菓は
チョコフレークを生産終了すると
発表しました。

森永チョコフレーク
1967年、昭和42年発売の
超ロングセラー昭和レトロ菓子です。

森永チョコフレーク
実際には森永製菓の子会社で、
千葉県野田市にある森永スナック食品が
製造していました。

森永スナック食品の工場が
老朽化で2019年12月に
閉鎖するのにともなって、
2019年の初夏までに
チョコフレークの生産を終了します。

事実上、「日清シスコのチョコフレーク」
負けて、撤退という形です。

今後、森永エンゼルパイレギュラーサイズが
ロッテチョコパイに負けて、
生産終了ということことのないように、
森永エンゼルパイには末永く
製造販売を続けていってもらいたいです。

関連記事

ロッテ『チョコパイ』の値段?箱(6個入り)とパーティーパック(9個入り)を調査

広告