[飲食業]人手不足の原因は従業員の「人権軽視と侮辱」にある

飲食業の人手不足は、
客はたくさん来ているのに、
社員やアルバイトが採用できないため
店舗で働く社員が疲弊しているのが実態です。

この理由、原因をほとんどの経営者は
わかっていません。

経営者よりも現場で働く正社員のほうが
真相を理解している人は
え多いのではないでしょうか。

また最前線で働いている店舗正社員は、
経営者とアルバイトとの板挟みになって、
日々の業務と人間関係に疲弊しています。

広告
336 ×280

飲食店は外から見るより仕事内容が難しい

日常の楽しい外食の場である飲食店は
街の風景であり、客として利用します。

飲食店の仕事が未経験者は、
他の仕事よりも「身近に感じる=簡単」と
勘違いする人が多くいます。

しかし、客の立場と、店員の立場では、
真逆な立場になります。

そして働き始めたら
イメージしていた以上の能力が求められます。

「未経験者歓迎!」
「研修期間があるので安心!」
「アットホームなお店」
「楽しい仲間と働きませんか!」

求人広告のひっかけコピーでだますのは
飲食業界の常識です。

仕事がいかにも簡単そうに感じさせます。

入ったらすぐ「だまされた」と気づきます。

仮にアルバイトであっても
かなりのスキルが身につくまで教育されます。

飲食店の求人広告は
ホールとキッチンに分かれています。

どちらであっても自分は今
何をしなければならないのか、
自分の判断で、臨機応変を
初日から求められます。

笑顔や元気、明るさも強要する店もあります。

これは難しいです。

しかし、人手不足だから
採用したわけですから、
早急な成長を強く求められます。

就労して数日で
「仕事は自分で探せ!」
「自分で考えろ!」
「わからなければ聞け!」
理不尽な、高圧的なことを言われます。

既存従業員の多忙からくるストレスで、
新人いじめともとれる
態度、言動が横行しているのが
飲食業界のありさまです。

できないと怒られます(=いじめられます)。

理由は
“お客様にご迷惑がかかるから”などです。

どんな仕事でもテキパキと、
効率的に動けるようになり、
戦力になるのは時間がかかります。

飲食店の作業も慣れて覚えるまではハードで、
とても疲れます。

初日だけ来て、次の出勤日には
バックレる人もいます。

もちろん店舗によっては、
簡単で楽な仕事もあるでしょう。

しかし、そのような仕事は誰かが
ずっとやり続けているはずですから、
求人広告に出ることはないのが普通です。

求人広告を出すといいうことは
それまでやっていた人に
逃げられたとも考えられます。

特に求人広告常連の店舗は非常に危険です。

飲食店の人手不足が解消されない悪循環とは

飲食店で人手不足になると、
必ず既存の店員の負担が増えます。

人手不足だからといって、
その分だけ仕事量が減るわけではありません。

辞めた人がやっていた作業や気遣いは、
残った店員で
いやいやこなしているのが実情です。

とはいえ、すべてを今までのように
完璧にはできず、
結果、品質、サービス、衛生面での劣化が
必ず露呈します。

客にはばれないかもしれませんが、
当事者の店員は店全体の劣化を
実感し嫌気がさしてきます。

それでも毎日毎日必ず定刻出勤し、
開店し営業しています。

こうなると残された既存の店員一人一人が
質よりもスピード重視が、
助かる唯一の手段と認識しながら、
日々頑張り続けます。

長時間労働をじっと我慢して
5年、10年と頑張り続けている店員も
日本中にいます。

こんな店舗に間違って就職した
社員や新人アルバイトが入っても、
既存の店員は
自分の日々の仕事量が限界状態で、
親切に、ていねいに仕事を教える時間も
精神的余裕もありません。

悪質な店員だと新入店員に八つ当たりや
いじめをする者もいます。

そしてせっかく採用した人も
すぐに逃げるように辞めていきます。

これが飲食業界の人手不足による
絶対に解決しない悪循環です。

広告

飲食業の常識、雑でもスピード重視

人手不足が常態化した飲食店の常識に、
客にばれないで、雑でもいいから早く!
というものがあります。

ていねいよりも早く終わらせることを
よしとします。

適当でも、雑でもスピードなのです。

ていねいに作業をしていたら
自分で自分の首を絞めることになります。

人手不足の店舗では
マニュアル通りに作業をすることは
物理的に、時間的に不可能です。

ベテラン従業員のそれは、
その会社や店舗だけに通用する
曲芸に近いものがあります。

こんな労働環境は非常に危険です。

調理にしても、洗い物にしても、
雑に適当になると衛生上の問題が出ます。

スピード重視はケガの原因にもなります。

ミスも発生し、クレームの原因にもなります。

そんなのは新人にできるわけがありません。

しかし、新人は「劣っている人」
という謎のレッテルをはられます。

そして、ていねいな仕事をしたい人、
社内や店舗の内部事情に疑問を持った人、
納得できない人は
早々に辞めていきます。

飲食業は外見とは違って、不衛生な裏事情

多くの客に食べ物を調理して出す飲食店は、
非常に衛生的な環境でなければなりません。

日本国の食品工場が、
まさにその模範であり、
大手食品メーカーの工場は
その極致といえます。


参考画像:大手食品メーカー工場内部

もし、事故品を出すと
大変な損害と信用に傷がつくための結論です。

では、工場と違って客を迎え入れる飲食店は
なぜそれができないのでしょうか?

それは、食べ物を提供するだけではなく、
客と対面してサービスが同時に発生する仕事
だからと考えられます。

食品工場は食べ物を
正確に、迅速に、計画的に、
そして何よりも衛生的に行われます。

それに対して、飲食店は客がいつ、
何人来るかもわからない中、
調理とサービスは
店員のスキルのみに頼るしかありません。

飲食店は客が来れば、
待ったなしで忙しくなります。

臨機応変な作業が発生します。

人手不足により
許容範囲を超える来客があると、
ものすごいスピードが求められます。

そのため、上場企業のチェーン店であっても、
零細飲食店であっても、
客に見えなければ、ばれなければ、
利益のためなら
衛生は二の次、三の次になっているのが
実態です。

事故品やクレームの危険と
隣り合わせであるにもかかわらず
利益至上主義だけが突出してしまっている
飲食業は極端に遅れている業界です。

これが飲食業の3K
労働環境・作業内容
きつい (Kitsui) 」
汚い (Kitanai) 」
危険 (Kiken) 」
の「汚い 」の語源です。

飲食業界から人材が逃げていく
大きな要因の根源です。

この実態は飲食店で
就労を経験した人でなければ
ほぼ理解できません。

客の目線からはわからないものです。

飲食業は店舗システムの欠陥を改善しないで人の力で補おうとする人力業界

トヨタ自動車の工場は
改善に改善を重ねた極地として、
世界中から注目を集めたのは
1980年代のことでした。

別世界とはいえ飲食業の多くは、
物理的にもソフト的にも
改善しなければならない点が
膨大にあります。

しかし、工場のように
大規模な事業所ではないので、
飲食業界は根本的な改善がなされないまま
昭和時代から歳月が流れてきました。

店舗によっては2~4人で回しています。

すると、当事者たちもわかっていても
改善のする時間も予算も、余裕もないため、
いつもの通り、日々動いているだけです。

ではどうしているのか?

それは人の非効率な動きと頑張りだけで
補てんして日々の作業をこなしています。

その結果、一人一人に高い能力が求められ、
新人はすっかり嫌気をさして辞めていきます。

しかもベテランになればなるほど、
問題点を問題と感じなくなり、
改善なんてとんでもないという
思考に凝り固まっています。

これは経営者にもよく見らえる思考です。

お金のかかる改善案は
頑として受け付けない経営者が
ほとんどなのが飲食業です。

特にその傾向は個人経営の店舗で顕著です。

そして、新入社員や新人アルバイトからは
とんでもない職場に感じて辞めていきます。

人手不足で少数で精鋭化した飲食店には新人は入る余地がなく、排他的になる

何年も同じメンバーでやっている店舗は、
一人一人その店のみ通じる
ものすごいスキルを持っています。

そのスキルのもとで進化していった
やたら難しい店舗システムは
直感までも用いた
精鋭化されたシステムです。

しかし、いざ人手不足になって
新しい社員やアルバイトを
採用したからといって、
到底その動きにはついていけませんし、
理解できません

作業がきつすぎる、難しすぎるのです。

普通の人なら嫌になって辞めてしまいます。

そして残されたベテラン従業員は
「あいつはダメなやつだった、
使えないやつだった」
と必ず言います。

人が定着しない理由の一つにこういった
排他的な状態で回している
飲食店が多くあります。

広告


システム改善にお金も時間もかけない経営者の「金銭欲」が人手不足の根源

経営者が店舗システムの問題点を放置すると、
従業員にしわ寄せがきます。

これは従業員の人権を軽視している一つです。

そうすると転職できない従業員だけが残って、
さらに高いスキルが身に付き、
適当な雑な仕事を日々こなして
歳月だけが流れます。

そして、ますます新人を迎え入れることが
不可能な、
社会から隔絶された魔窟と化した店舗を
築いていくのです。

こういった飲食業の実情が
慢性的な人手不足を招いています。

飲食店経営者の金銭欲が
慢性的な人手不足に起因しています。

しかし、こういった飲食店であっても繁盛店で、
おいしいものを出す店が多くあります。

そこがまた飲食業の人手不足にメスが入らない
やっかいなところなのです。

まとめ

全国で飲食店の人手不足が常態化しています。

今の日本人は一般的な考えとして、
飲食店とは、自分が食べたり、
楽しむところで
まさか自分が働くところ、
少なくとも正社員になるなんて
想像すらしないでしょう。

そのくらい、客と飲食店の世界感に
ギャップがあります。

ここでいう正社員とは数十年、
その店の店員として働くということです。

しかも将来、独立をすることも
まったく考えないという人のことです。

いくら大企業のチェーン店であっても、
社内転勤があっても
飲食店店員として数十年間働く人生に
誰でもゾッとするのが
今の日本社会の感覚です。

ましてや無名の零細店舗ではなおさらです。

そこが今の飲食業全体の人手不足の
根源があります。

対して、社長など経営者は将来数十年、
自分の飲食店で人を雇って
一般的なサラリーマン以上の
収入を得ようという執念があります。

では、なぜその店で正社員として働きたいと
人に思わせることができないのでしょうか。

それは次の三つであることは明らかです。

①年収が低すぎる
②年間休日が少なすぎる
③一日の労働時間が絶対に8時間では帰れない

この三つを完全に解消できない経営者は
「人を雇うほどの価値のある事業ではない」
とう証です。

そんな飲食店は自分と家族で
店を回すべきです。

人を雇う資格はありません。

人を雇うならば、
経営者は自分の収入のことよりも、
店員の生活の質や人生に
責任をもたなければなりません。

月給を払えば、社員の生活や人生を
買い取ったかのように
錯覚してしまう経営者が多くいます。

社員の生活、人生を
経営者が月給で買い取ったり、
使い捨てたりする観念は、
完全な人権軽視であり、侮辱です。

そこに、飲食業労働を忌避する
社会風潮の源があるのです。

広告
広告
336 ×280
336 ×280

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする