ハーゲンダッツはなぜ高いのか?なぜ美味しいのか?本当の理由

コンビニやスーパーのアイス売り場で、
確固たる王者、別格のオーラを放つ
アイスクリーム、
ハーゲンダッツ

誰もがとてもおいしいことは
知っています。

だからといって、
しょっちゅう買えないくらい
値段が高くて、
量がやたら少ないことも
誰もが知っています。

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ハーゲンダッツとサントリーの関係

ハーゲンダッツは
世界規模で営業展開されている
アメリカの大手食品会社
ゼネラル・ミルズ
高級アイスクリームブランドです。

アメリカとカナダでは、
ネスレが独占販売権を持っています。

日本では、
ゼネラル・ミルズ50%

サントリー40%

タカナシ乳業10%
の出資比率で
1984年(昭和59年)8月10日
ハーゲンダッツジャパン(株)が設立され
日本国内のハーゲンダッツアイスクリームの
独占販売権を持っています。

このように、半分日本の商品、
しかもサントリーグループの
企業なのです。

今回は、ハーゲンダッツの価格は
なぜ高いのか?
そしてなぜこれほど美味しいのか?
この2つの理由を記述したいと思います。

1970年代初頭から1980年代までは、
日本国内の高級アイスクリーム、
おいしいアイスクリームといえば、
当時雪印乳業(現:雪印メグミルク)が
製造販売していた
日本国内独自のアイスクリームブランド、
レディーボーデンでした。

しかし、1990年には製造販売を終了し、
店頭から姿を消しました。

その後1994年
ロッテがレディーボーデンの
製造販売権を取得し、
製造販売を再開しましたが、
レディーボーデンが姿を消した、
4年の間に日本人は
これからの高級アイスクリームは
ハーゲンダッツだと
完全に刷り込まれました。

現在もレディーボーデンは
ロッテが販売していますが、
ハーゲンダッツの
常に新しいフレーバーを新発売する
ブランド商法には太刀打ちできません。

ハーゲンダッツは、
日本国内で発売してから
何十年とたちましたが、
古さを感じさせない
ブランド力があります。

それに対して、レディーボーデンは
かつてのブランド、昭和時代の
レトロ高級アイスクリームの
イメージがあります。

食品業界の中で、
ロッテはお菓子メーカー、
サントリーは洋酒メーカーです。

サントリー商法で
高級アイスクリームブランドを
手掛けると、
こうなるのかと思わせる
歴史的な大成功事業なのです。

ハーゲンダッツの価格が高い
最大の理由の1つは、
徹底したサントリー商法らしい、
ブランディングです。

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ハーゲンダッツの価格が高くても受け入れられるブランディングの歴史

1984年10月から首都圏のデパートと
高級スーパーマーケットなど、
いわゆる一等地ばかりに
「ハーゲンダッツショップ」の
展開が始まりました。

東京都港区青山に
第1号店がオープンしました。

日本国内の第1号店が開店した際には、
女性や若者の長い行列ができたことを
テレビで大きく報道されました。

翌1985年には横浜や東京・原宿、
大阪や神戸、京都にも
直営店を出店しています。

ハーゲンダッツショップの展開は
日本社会が高級志向になっていった
1980年代とその末期の
バブル経済期と一致し、
時代の波に乗りました。

時代の追い風にみごとに乗り、
有名高級アイスクリームチェーン店に
なっていきました。

店舗数は1994年がピークとなり
全国95店舗が存在しました。

しかし、1999年以降
ハーゲンダッツジャパンは
店舗展開の経営方針を改め、
流通商品に力を入れ、
小売店販売に軸足を移したのです。

これにより、
「ハーゲンダッツショップ」の店舗数は
年々縮小していきました。

2013年4月25日に最後の店舗、
新浦安店(千葉県浦安市)を閉店し
以降日本国内には
「ハーゲンダッツショップ」は
存在しません。

もともとブランド周知が目的で
80年代、90年代と
店舗展開をしただけで、
日本国内に「ハーゲンダッツショップ」を
ずっと展開する計画ではなかった
といわれています。

周知が完了したところで、
店舗をほぼ同じ歳月をかけて、
消滅させた歴史でした。

ハーゲンダッツのミニカップは
日本では1985年から販売されていましたが、
80年代はレディーボーデン同様、
パイント(470㎖カップ)が
主力商品でした。

発売当時のバニラのミニカップパッケージ

ところが、レディーボーデンが
店頭から姿を消した1990年に、
チャンスとみたハーゲンダッツ(株)は
ミニカップを主力商品にシフトし、
生産に力を入れました。

ミニカップをセブン-イレブンやローソンなど
コンビニで販売開始し、
より身近にハーゲンダッツを売って、
販売網を広げました。

1985年発売当初の
ミニカップの定価は220円でした。
(当時消費税はありません)
このミニカップの重要卸売先は、
コンビニであることは現在も変りません。

コンビニは定価で販売ができる
非常に重要な小売店なのです。

現在は値上がりしていて、
定価で292円(税込)です。

ハーゲンダッツの値段が高い理由はテレビCMによるブランディング

1991年にはハーゲンダッツの世界初の
テレビCMが日本で放映されました。

このCMは1本数千万円の製作費をかけた
大変な力の入れようでした。

1991年からのテレビCM放映が、
日本でのブランド確立の
決定打となるものでした。

ハーゲンダッツは
大人の高級アイスクリームという
イメージを打ち出すため、
とても高級感ある映像表現でした。

長年の何十種類ものCM放送により、
大人の消費者の獲得に成功しています。

確かに子供が買う値段ではありません。

ハーゲンダッツのCMは白人が出演し、
英語で話し、字幕スーパーが入り、
背景が欧米だったため、
当時日本人は海外のCMを日本で放映したと
誰もが思いました。

しかし、実は日本国内で製作され、
国内向けのCMだったのです。

外国人男女がセクシーに
アイスクリームを食べる映像表現で、
「Shall we Häagen-Dazs?」
というセリフで締めるテレビCMは、
当初は日本のみのオンエアでした。

食品を、しかもアイスクリームを
このようなイメージ表現での
CMは非常に斬新で衝撃でした。

インパクトがありました。

その後日本での評判を受けて
世界各国で日本製のCM映像が
オンエアされました。

この路線のCMは2000年代末期には
終了しています。

2009年8月5日から真矢みき
2011年から2016年まで柴咲コウ
2016年から中条あやみ
が出演するCMが放送されました。

クリスピーサンドと
クレープグラッセのCMには、
2013年3月から水原希子
起用されています。

このように、ハーゲンダッツは、
専門店のチューン展開、
ミニカップの発売、
斬新なテレビCMを
約20年放映したことで
ブランドを確立しました。

他のアイスクリームの
追随を許さない、
市販アイスにもかかわらず、
極端に高い値段設定にもかかわらず
世に受け入れさせることに
成功したのです。

ハーゲンダッツはなぜ美味しいのか?

原材料への確固たるこだわり

ハーゲンダッツの値段が高い理由に
原材料へのこだわりなどをアピールする
戦略をとっています。

確かにこだわりの上等な原材料を
使用しています。

添加物の使わない本物のアイスクリームです。

契約酪農家の牛一頭一頭の
体調に合わせた飼料の調整や、
牛乳の成分を左右する
牧草や土壌の成分まで管理しています。

また、さまざまなフレーバーを作る
フルーツやナッツ、
チョコレートなどの副原材料も
世界各地から厳選して調達しています。

今回はハーゲンダッツ[バニラ]の原材料と
レディーボーデン[バニラ]の原材料を
比較してみましょう。

ハーゲンダッツ[バニラ]

【原材料名】
クリーム
無脂乳固形分10.0%
乳脂肪分15.0%
脱脂濃縮乳
砂糖
卵黄
バニラ香料
(現材料の一部に卵白を含む)
レディーボーデン[バニラ]

【原材料名】
乳製品
無脂乳固形分9.0%
乳脂肪分14.0%
砂糖
水あめ
乳化剤
香料
安定剤(増粘多糖類)
着色料(野菜色素、アナトー、カロチン)

このようにつまびらかに原材料を列挙すると、
ハーゲンダッツがいかに高品質で
本物のアイスクリームであるかを
思い知らされます。

ハーゲンダッツの価格がいかに高いかの比較

ハーゲンダッツも
レディーボーデンも
両方のメーカーは互いに、
ミニカップの内容量を変え、
価格が簡単に比較できないようにしています。

そこでそれぞれを
明治エッセルスーパーカップ
約100円の内容量200㎖と
比較するために両方200㎖に
換算してみました。

ハーゲンダッツ[バニラ]
ミニカップ110㎖・約290円
200㎖相当の価格は約520円
レディーボーデン[バニラ]
ミニカップ85㎖・約100円
200㎖相当の価格は約220円

これは年収300万円の人が
明治エッセルスーパーカップ200㎖
を買うように
ハーゲンダッツ200㎖(仮定)
を買うとしたら、
年収は1500万円でなくてはなりません。

同様に
レディーボーデン200㎖(仮定)を
買うとしたら、
年収は600万円でなくてはなりません。

1500万円となると、
大企業の部長以上の年収です。

ハーゲンダッツの価値は
明治エッセルスーパーカップの5倍
というアイスクリームなのです。

ハーゲンダッツはそのぐらい
普通の金銭感覚ではありえない
アイスクリームといえます。
(「明治エッセルスーパーカップ約100円
の内容量200㎖」が普通のアイスと考えた場合

その普通でない価格のアイスクリームが
私たちの身近なスーパーやコンビニで
普通に販売されているのです。

もちろん、高いか高くないかは
買う人の金銭感覚によるのですが。

日本のハーゲンダッツの工場は群馬県高崎市にある

ハーゲンダッツの
アイスクリーム工場は現在世界に4カ所あり、
アメリカのニュージャージー州、
カルフォルニア州と
フランスのアラス、
群馬県高崎市新町1306にあります。

ハーゲンダッツの国内製造は
タカナシ乳業が受託していて、
ハーゲンダッツのみを生産する
専用工場、タカナシ乳業群馬工場
を持っています。


タカナシ乳業の北関東工場は
広く工場見学を受け付けています。

ヨーグルトの製造工程などを
見学することができます。

しかし、近くにある
ハーゲンダッツ専用工場の
群馬工場は
工場見学は一切受け付けていません。

ハーゲンダッツアイスクリームは空気含有率が低い

アイスクリームのクリーミーで
なめらかな舌触りは
アイスクリームの中に含まれている
空気の量に比例します。

空気の量が多くなればなるほど
密度は低くなり、
なめらかな舌触りが失われてしまいます。

ハーゲンダッツでは、
この空気含有率を約20%と低く、
密度が高いため、濃厚でなめらかな
舌触りのアイスクリームなのです。

ミニカップは見た目よりも
ずっしりと重く感じると思います。

これは空気が少なく、
密度が高いからなのです。

ハーゲンダッツの
ミニカップの量は110㎖ですが、
他のメーカーのアイスクリーム比べて、
重いのです。

アイスクリームは
単純に量で比べることができない
大きな要素として、
原材料の他に
空気の密度が大きいのです。
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ハーゲンダッツの温度管理は非常に厳しい

ハーゲンダッツのアイスクリームは
レディーボーデンも使用している
乳化剤と安定剤を使用していません。

この意味するところは、
温度変化の影響を受けやすい
製品なのです。

規定以上の温度になると、
乳化剤と安定剤を使用している
アイスクリームに比べて
サラサラに溶けだすのが非常に速いのです。

そのため、倉庫管理時の規定温度は
ー25度以下
輸送時は
ー20度以下
と低温管理が
徹底されています。

このように製造から保管流通までの
徹底した温度管理を行っていても、
販売する小売店が温度管理をおこたれば、
意味がありません。

そのため、ハーゲンダッツジャパンは
定期的に店舗に出向き、
温度チェックをしているといわれています。

不適格な小売店には改善を求めているのです。

アイスクリームの保存温度を
ここまで徹底して行っている分、
価格に上乗せされているため
ハーゲンダッツの価格が高い要素の
1つなのです。

ハーゲンダッツ事件[1997年]

ハーゲンダッツジャパンは
高級アイスクリームとしてのブランド力を
維持するために小売店の値引きを
絶対にしないことが、
販売の条件としていました。

これに対して、
1997年には公正取引委員会より、
正当な理由がないのにも関わらず取引先の
小売業者に対して希望小売価格の維持を強要した。

さらに並行輸入品の取り扱いをa
妨害したとして、
独占禁止法第19条に違反しているとして
勧告を受けています。

その後は、スーパーなどの小売店では
時々1~3割程度の割引販売が
行われるようになりました。

しかし、コンビニでは定価販売が
常態化しています。

今回の記事のまとめ

「ハーゲンダッツは
なぜ高いのか?なぜ美味しいのか?」
その理由は原材料が高品質なため価格が高く、
美味しいのです。

そして、徹底した温度管理での保存と流通を
行っているため、
価格が高く、美味しいのです。

また、菓子メーカーが製造する
アイスには存在しない
ブランド料が含まれているため
ここまで高いのです。

1984年(昭和59年)
ハーゲンダッツジャパン創業以来、
長年つちかってきたブランドです。

このブランド構築には
サントリーのノウハウが注ぎ込まれ、
時間とお金がつぎ込まれています。

ハーゲンダッツはステータスなのです。

高品質なのは誰でも理解できることですが、
「アイスクリームにブランド料?」と
普通結びつかないため、
ブランド料の分だけ
高いと感じるのだと推察できます。

国内お菓子メーカーが発売している
アイスは万人がターゲットですが、
ハーゲンダッツは
普通に買える人、いつも買える人、
つまり富裕層がターゲットです。

こんなアイスクリームも
日本に1つはあっていいと思います。

サントリーのノウハウで宣伝から
製造販売まですべてが上等な
ハーゲンダッツアイスクリームは
高くて、おいしいのです。

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